ボクシングジム DAY-8 向こう側

ジャブはジャブ。

所詮ジャブ。

 

しかし。

 

今日も踏み込んでジャブからのストレート、そしてバックステップ

ストレッチを終え、鏡に覆われたシャドースペースに移動する。

やる事は一つ、”踏み込んでジャブからのストレート、そしてバックステップ”

 

課題は、左前足の位置と荷重、そして ぐるりん と廻す。

コマのように回る。

 

これ。

 

「お やってますね ♪」と会長が優しく元気な声で近寄って来た。

この会長、早〇田大学卒業後、一度は勤め人として社会人デビューするが、ボクシング愛が強すぎてジムを開業したという真っすぐな方。

「早〇田大学卒業して、なにやってんの ? 」と 思われる人もいるかと思いますが、私はリスペクトする。

 

人として、男として、悪くない。

 

私がこのジムに入ると決めたのは、この会長のプロフィールが魅力的な事と、彼の目が印象的。

敬意を表して申しますと、ただのボクシング バカ とは思えなかったのも一因。

 

その会長が言う。「今やっている事を完璧にできなければダメな訳では無い」「但し、未来に必ず役立つ」「とは言え、又すぐに基本から外れ崩れる」「だから反復練習が必要」とね。

 

そして、組み立て棚のポールを私の足に直角に当て、足・膝・腕の付け根、その位置を確認させる。

私からしたら、とても苦しい体勢だ。いや、そのような体勢でボクシングをすると考えた事も、思った事も無い体勢。

 

苦痛なので、できたら避けて通りたい。

 

そして、「左前足はコマの軸、軸をぶらさず腰、股関節から ぐるりん とまわす」と言い、見本を見せる。

 

まー 見事に柔らかくスムーズに回る。お見事 !。

 

今の私にはとても真似出来ない。それが率直な感想。

 

リングに上がってミット打ちで おさらい

“踏み込んでジャブからのストレート、そしてバックステップ”

ポイントは左前足の向きと膝の角度。

 

しつこく何度も同じ事を繰り返す。何度も何度もね。

まさに反復練習。

 

そして、「ハイ ! そこから腰を ぐるりん と回しながら力まずストレート ! 」と言う。

 

会長のように綺麗に ぐるりん とはいかないが、私なりに ぐるりん と回しストレートを打つ。

 

インパクトの瞬間、乾いた良い音を出した。私はストレートが強く打てたと にんまり ♪

しかし、会長は意外な事を言った。「この打ち方疲れない、疲れにくい打ち方」と。

 

又、しつこく何度も行った。確かにはーはーしない。この老体がバテない。

 

こうも言った。「遅いパンチは当たらない」「早いパンチは必ず当たる」と。

 

私にとっては、とても苦しい体勢でのジャブ。

しかし、その次、その向こう側には、ストレート パン ! が存在した。

 

私は質問した。賢い彼に。「年取ると股関節が硬くなりますよね ? どうやって柔軟にできますか?」とね。

 

彼は言った「ひたすらコレ !」と、ストレッチをやって見せてくれた。

 

理屈も道理も納得できた。頭の中がクリアになった。

あとは ただ ただ ひたすらに行うだけ。

 

この歳になり、納得できる。腑に落ちる。

そんな話をしてくれる・そんな指導をしてくれる、そんな彼と出会えたことは、幸せな事だ。

 

本日の体重: 80.2kg 

アマチュアミドル級のリミット75kgまで

オーバー5.2kg